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SNEAKIN' SUSPICION
SNEAKIN' SUSPICION / DR. FEELGOOD
スニーキン・サスピション / ドクター・フィールグッド
Original release: May 1977
Produced by Bert de Coteaux
Lee Brilleaux: Vocals, Harmonica, Slide Guitar
Wilko Johnson: Guitar, Vocals
John B. Sparks: Bass, Vocals
The Big Figure: Drums, Percussion, Vocals
デビューから三枚の絶品アルバム立て続けに発表し
着実に人気を上げてきたドクター・フィールグッドだけど、
この四作目のアルバムにして、
ギターリストのウィルコ・ジョンソンが最後となってしまった。
ウィルコが離れる直接の原因となったのが、
ドクター・フィールグッドと縁の深いルー・ルイスのカバー[6]。
この曲をカバーする/しないで喧嘩別れとなったらしいが、
それはホンのキッカケのひとつに過ぎないでしょう。
急激な人気の上昇で注目度がグングンとあがって、
メンバーへプレッシャーが極度にかかり、
ウィルコを除く三人はアルコールを頼るようになっていたとか。
(ウィルコはクスリ。)
そんな時でも曲作りにも追われるウィルコ・ジョンソンは
過度にナーバスになってしまい
ホンの些細なメンバー間での意見の違いでも
口論となってしまうようなバンドの状態だったらしい。
それでもイギリスで頂点に立ち、次はアメリカでの人気獲得を狙って、
プロデューサーにバート・ドゥ・コトゥーをたてるものの、
それぞれが目指すサウンドがバラバラのまま、
なんとも中途半端で平凡な感触のアルバムになってしまった。
ここでは切れ味鋭いスピード感も
心地よく腰にシビレるビート感も薄まって
なにより四人によるカタマリ感がまるで無いのだ。
ウィルコも愛妻アイリーンを歌った[2]をはじめ、
曲そのもは悪くない[1],[9]などそれなりに健闘してると思うけど、
正直イマヒトツな曲もあって、
これまでのアルバムと比べてしまうとどうにも物足りない。
問題のルー・ルイス曲[6]も、
やけにホンワカした仕上げ。
本家ルー・ルイスは、後にアルバム『 SAVE THE WAIL 』で
スピード感たっぷりに仕上げてました。
ウィルコ・ジョンソンのギター・スタイルもこれまでの直球1本から、
微妙に変化球を交えて、そのスタイルに変化が感じられるし、
アルバムでも何本かギターを重ねて録音。
それによって独特の個性が薄まってしまった感じなのだ。
リー・ブリローもバンドの危機的状態に覚悟をきめる。
ウィルコ・ジョンソンというギタリストを切り、
本来のパブでのライヴ活動に焦点を戻して
ドクター・フィールグッドを存続することを選択。
そしてその後二度とリー・ブリローとウィルコ・ジョンソンが
活動を共にすることは無かった。
収録曲目
[1] Sneakin' Suspicion
[2] Paradise
[3] Nothin' Shakin' (But The Leaves On The Trees)
[4] Time And The Devil
[5] Lights Out
[6] Lucky Seven
[7] All My Love
[8] You'll Be Mine
[9] Walking On The Edge
[10] Hey Mama, Keep Your Big Mouth Shut